聞こえをサポートする機器には「集音器」と「補聴器」がありますが、この二つの違いを正しく理解している方は多くありません。
実は、間違った選択をすると、聞こえが改善しないばかりか、かえって耳を傷つけてしまう可能性も。
この記事では、集音器と補聴器の5つの違いを分かりやすく解説します。
【比較一覧表】集音器と補聴器の違い
| 比較項目 | 集音器 | 補聴器 |
|---|---|---|
| 位置づけ | 音響機器(電子機器) | 医療機器 |
| 主な目的 | 音を一律に大きくする | 聞こえにくい音域を調整 |
| 価格帯 | 安価 (数千円〜数万円) | 高価 (数万円〜数十万円) |
| 販売場所 | 通販・家電量販店 | 専門店・病院 |
| 調整 | 自己調整 | 専門家による調整 |
違い①:法律上の位置づけ
集音器
法律上の規定がない「音響機器(電子機器)」です。音を大きくするシンプルな音響機器として扱われます。
補聴器
法律や規準をクリアし、厚生労働省が認可したものが「医療機器」である補聴器です。安全性と有効性が国によって保証されています。また、医療機器のため消費税は非課税です。
違い②:機能と目的
集音器
マイクで拾った音を、大小関係なく一律に増幅します。静かな環境や、少し離れた音を聞き取りやすくするのに役立ちます。
補聴器
使用者の聴力に合わせ、聞き取りにくい周波数(音域)の音だけを選んで調整します。不要な雑音を抑制する機能もあり、会話の明瞭度を上げることを目的とします。最近では簡易的に周波数を調整できる集音器も出てきました。
違い③:価格帯
集音器
シンプルな構造で量産されるため、数千円から7万円程度と比較的安価です。
補聴器
高度な研究開発、一人ひとりに合わせた細かい調整(フィッティング)技術、手厚いアフターケアの費用が含まれるため、片耳で約5万円~50万円以上と高価になります。専門家による細かいフィッティングを必要としない補聴器も片耳約2万円~10万円程度で売られています。
違い④:販売場所と購入方法
集音器
家電量販店やオンラインストアなどで、誰でも処方箋なしに手軽に購入できます。
補聴器
専門知識を持つスタッフがいる補聴器専門店や、医師の診断が必要な病院(耳鼻咽喉科)で、対面カウンセリングを経て購入するのが一般的です。
違い⑤:調整(フィッティング)の有無
集音器
基本的に購入者が自分で音量などを調整します。基本的に細かい設定はできない商品が多いです。ただ、最近ではスマホアプリで簡易的に周波数を調整できる集音器も出てきました。
補聴器
言語聴覚士や認定補聴器技能者といった専門家が、聴力測定の結果をもとに専用PCで細かく音を調整(フィッティング)します。静かな場所や騒がしい場所、など特定の環境に合わせたプログラムを複数作るこもとできます。購入後も定期的な調整が必要です。
まとめ
- 位置づけ: 家電 vs 医療機器
- 機 能: 全体を大きく vs 選んで大きく
- 価 格: 安価 vs 高価
- 販売場所: どこでも vs 専門店・病院
- 調 整: 自分で vs 専門
聞こえに少しでも不安を感じたら、まずは自己判断せずに専門医に診てもらうことが最も重要です。その上で、もしあなたが「手軽に試せる集音器」に興味があるなら、こちらの記事もおすすめです。
内部リンク: >>おすすめ集音器
更新日:2025年9月22日(月) 08:06

集音器・補聴器を使っての体験談